映画、『扉をたたく人』を観て来ました。
ミリオン座で7月末までの公開だったので駆け込みで。
公式サイト
http://www.tobira-movie.jp/
簡単なあらすじは、無気力なおっさんが移民の若者と出会い、ジャンベのビートを通じて心を通わせ、次第に熱を取り戻していく。というものです。
淡々とした中にも、主役のおっさん、ウォルターの心の機微が丁寧に描かれていて、とても良い作品でした。
なんかウォルター、最初は気難しいおっさんとして描かれているんだけど、次第に可愛さを出してきます。
枯れ専女子にはお勧めですよ。
打楽器好きな僕としては、この映画のキーともなるジャンベの演奏シーンがすごく楽しくて、心躍りました。
ビートが人と人の心をつなぐ、というのが映画で見事に表現されていたと思います。
ウォルターと移民の若者、タレクとの間には、年齢も国家も超えた友情がビートと共に紡がれていったんだなぁ、と。
映画の根底には9・11以降、アメリカの移民に対する姿勢が変わっていった、という社会的な背景があるんですが、国家という大きな枠組みの中で、個人の正義がいかにちっぽけで無力か、という事をウォルターは嘆き、初めて感情をむき出しにします。
絶望しながらも強いまなざしで、タレクに教わったジャンベを一心不乱にたたくウォルター。
ジャンベの音色が観る者、聴く者の心を揺さぶります。
打楽器って最も原始的な楽器なだけに、演奏する人の感情が音にストレートに表れるんですよ。
それはなんだか良くわからなくても、音が届く限り、聴く者に伝わるんですね。
ウォルターのジャンベは悲しみと強さに満ちていた!
ジャンベの音色まで完璧に演じる、というこの役者の器量にも驚かされました。
良い映画だった。
みなさんも、機会があったら是非観てください。
あぁ、夏だし外でジャンベ叩きたい!
久し振りに押入れのジャンベを引っ張り出してみようと思います。