ようやく観に行く事ができました!
なるべく予備知識を入れずに観に行ったのですが、結論から言うと、
「DVD出たら絶対買う!」と思わせる作品でした。
感想を書いておきます。※ネタバレはほとんどないと思います
まず思ったのが、当初イメージしてたのと全然違って、すごく理系の映画だなー、という事。
夏休み期間の定番になる様な、例えば「ぼくの夏休み」、あるいは「トトロ」の様な田舎の夏を追体験できる作品だと勝手に思っていたのですが、そんな描写は少な目で、大きな屋敷の中と、ネットの中の仮想世界という限定されたシチュエーションで話が進んでいく感じ。
ネットの概念がさっぱりという人には、最初の設定から理解ができなくて、作品に入り込めないかもしれません。
アカウントって何?アバターって何?そもそもここはどこなの?みたいな。
とは言え、その限定されたシチュエーションから全ての世界、人、モノにつながっている、というダイナミズムは、ネットのサービスを利用して楽しんでいる人にはすごくリアルに伝わると思います。
バーチャルな世界での展開が半分くらいはあって、むしろ見所はそこなんですが、そのせいか作品自体に人間の肉体性はあまり感じないないんですよね。
主人公もバリバリ理系の子だし、人間が躍動するような、そういう表現は抑え目でした。
主人公が鼻血を出すシーンがあるのですが、肉体性を表現する為の苦肉の演出だったのかな、とも思います。
ただし、かなりてんこ盛りに盛った演出の数々には驚かされるばかりでした。
多くのアニメファンを狙ったのかな?と思わせる様々な演出が混在していて、どっかしら引っ掛かる内容に仕上がっています。
ほんと 演出とか魅せ方がうまいなぁ、と思いました。
動きのない地味な花札をあんなにカッコいいインターフェースで見せてくれたり、ほんとは見えない01のデジタル世界をポップにキッチュに視覚的に表現するやり方は見事でした。
そういう意味で仮想世界に肉体性を持たせるのには成功しているのかもな。
なんか、ちょっと村上隆の影響あるのかな、と思ったりしましたけど(笑)
リアルパートの漫画的表現は結構好きでした。
シナリオ自体は荒唐無稽なんだけど、10年したらコレも全然あり得る!というリアルさとのギリギリのラインを持っていて、そこにあえて漫画的表現を入れることで、日本のアニメ文化の踏襲を意識してるんだろうな、というのを感じました。
監督は、アニメというジャンルを突き詰めたいんだなぁ、と。
ちなみに舞台は平成22年だったので、ほとんど今ですね。
劇中にDSやiPhoneが小道具としてリアルに描かれていていて、ニヤリとします。
近未来のお話のようで、完全に今を描いているのが不思議な感じでした。
なんか、感想を一通り書くとあんまり褒めてないように見えますが、すごく面白かったんです。
主要な登場人物の成長があって、トリックスターがかき乱して、最後にカタルシスが用意されている、という王道パターンのシナリオで面白くないわけがないじゃん!
いや、褒めてるんです。
是非劇場へ!